NTTデータ編『システム開発を成功させるIT契約の実務』

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発行日からしばらく経って発行されていることに気づき、急いで注文して読みました。
読んだ感想としては「法務としてはこれだけでは足りないものの、大いに参考になる非常によい本」というところでしょうか。

そもそもシステム開発契約に関する書籍があまり多くない中、弁護士が著者ではない書籍となります。
少なくとも私が購入した書籍で言えば、日本のシステム開発契約実務に関する書籍で、かつ、弁護士が執筆していない初の書籍です。

「わかりやすさを最優先して極力かみ砕いた表現で契約書雛形も用いながらシステム開発について解説しています。」との説明もなされているとおり、とにかくわかりやすいです。
NTTデータなりのポジショントークも相当に見受けられます。こちらは読んでいておもしろい部分だと思います。

他方、わかりやすさのためか、裁判例システム開発紛争に関する事項の説明に物足りなさを感じることも否めません。
こちらは、そもそもすべてを正確に説明するというコンセプトの書籍ではないとのことですから、やむを得ない点でしょう。

システム開発契約の実務に関する書籍としても、NTTデータがどのようにシステム開発契約について考えているかがわかる書籍としても、非常に読みやすい本ですので、おすすめする次第です。