個人情報保護委員会の新着情報もSlackに投げる

it-lawyer.hatenablog.com

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経産省ニュースリリースと同じように、個人情報保護委員会の新着情報も、個人情報保護法に関する業務を扱っている私にとっては常に追っていなければならないものです。

robots.txtは次のとおり。新着情報をアップしているURLは"https://www.ppc.go.jp/information/"なので、今回の目的を達成しようとするにあたり、robots.txtの記載は障害とはなりません。
また、利用規約においても特にスクレイピングが禁止されているということはありません。

User-agent: *
Disallow: /common/*
Disallow: /hardcore/*
Disallow: /hc_config/
Disallow: /image/
Disallow: /webadmin/*

User-agent: ndl-japan
Disallow: /hardcore/
Disallow: /hc_config/
Disallow: /webadmin/

ところで、PPCのサイトをスクレイピングしようとすると、次のようにDH鍵が短いと怒られてしまいます。

dh key too small

そのため、Net::HTTPのciphers設定でDHを除外する必要があります。

require 'faraday'
require 'faraday_middleware'
require 'nokogiri'
require './lib/hoge'

uri = %(https://www.ppc.go.jp/information/)

connect = Faraday.new(uri) do |builder|
  builder.adapter :net_http do |http|
    http.ciphers = %(DEFAULT:!DH)
  end
end

Nokogiri::HTML(connect.get.body).xpath('//ul[@class="news-list"]//a').each_with_index do |node, i|
  post_feed_to_slack(
    PPC,
    %(https://www.ppc.go.jp#{node[:href]}),
    node.text,
    %(個人情報保護委員会新着情報)
  )

  break if i == 19
end

delete_unnecessary_data(PPC, 40)

続・経産省ニュースリリースをSlackに投げる

it-lawyer.hatenablog.com

昨日の続き。
他にも使い回せるようにするとこんな感じですかね。

./lib/hoge.rb

require './config/active_record'
require './config/slack'

def post_feed_to_slack(table, title_link, title, slack_username)
  hash = {
    uri: title_link,
    title: title
  }

  unless table.where(uri: hash[:uri]).reload.exists?
    Slack.chat_postMessage(
      channel: %(rss),
      username: slack_username,
      text: %(<#{hash[:uri]}|#{hash[:title]}>),
      unfurl_links: 'true'
    )

    table.create(
      uri: %(#{hash[:uri]})
    )
  end
end

def delete_unnecessary_data(table, count)
  if table.all.reload.size > count
    min_id = table.where(id: table.minimum(:id)).map(&:id)[0]
    max_id = table.where(id: table.maximum(:id)).map(&:id)[0]
    table.where(id: min_id..max_id-count).delete_all
  end
end

./meti.rb

require 'faraday'
require 'nokogiri'
require './lib/hoge'

uri = %(https://www.meti.go.jp/press/index.html)

Nokogiri::HTML(Faraday.get(uri).body).xpath('//a[@class="cut_txt"]').reverse_each do |node|
  post_feed_to_slack(
    Meti,
    %(https://www.meti.go.jp#{node[:href]}),
    node.text,
    %(経済産業省ニュースリリース)
  )
end

delete_unnecessary_data(Meti, 20)

経産省ニュースリリースをSlackに投げる

グレーゾーン解消制度における照会への回答を閲覧するため等、経済産業省ニュースリリースは重宝しているのですが、RSSフィードが用意されておらず、いちいち見に行かないといけないというのは結構面倒です。
というわけで、スクレイピングしてSlackのRSSチャンネルにニュースリリースを流すことにしました。なお、利用規約にもスクレイピングに関しては記載がなく、robots.txtも設置されていないので、(節度ある)スクレイピングは禁止されていません。

Gemfile

source "https://rubygems.org"

git_source(:github) {|repo_name| "https://github.com/#{repo_name}" }

gem "slack-api"
gem "dotenv"
gem 'activerecord'
gem 'pg'
gem 'faraday'
gem "nokogiri"

config/env.rb

require 'dotenv'

Dotenv.load

config/active_record.rb

require 'active_record'
require_relative './env'

ActiveRecord::Base.establish_connection(
  adapter: 'postgresql',
  host: '',
  username: ENV['DB_USERNAME'],
  password: ENV['DB_PASSWORD'],
  database: ENV['DB_NAME']
)

class Meti < ActiveRecord::Base
end

config/slack.rb

require 'slack'
require_relative './env'

TOKEN = ENV['SLACK_RSS_TOKEN']
Slack.configure {|config| config.token = TOKEN}

./meti.rb

require 'faraday'
require 'nokogiri'
require './config/active_record'
require './config/slack'

uri = %(https://www.meti.go.jp/press/index.html)

Nokogiri::HTML(Faraday.get(uri).body).xpath('//a[@class="cut_txt"]').reverse_each do |node|
  hash = {
    uri: %(https://www.meti.go.jp#{node[:href]}),
    title: node.text
  }
  unless Meti.where(uri: hash[:uri]).reload.exists?
    Slack.chat_postMessage(
      channel: "rss",
      username: "経済産業省ニュースリリース",
      text: "<#{hash[:uri]}|#{hash[:title]}>",
      unfurl_links: 'true'
    )

    Meti.create(
      uri: %(#{hash[:uri]})
    )
  end
end

if Meti.all.reload.size > 20
  min_id = Meti.where(id: Meti.minimum(:id)).map(&:id)[0]
  max_id = Meti.where(id: Meti.maximum(:id)).map(&:id)[0]
  Meti.where(id: min_id..max_id-20).delete_all
end

システム開発における「完成」

仕事の「完成」による効果

請負類型におけるシステム開発契約では、仕事の目的物たるシステムが完成することによって初めて、ベンダーがユーザーに対して報酬を請求できる権利(報酬請求権)を行使できます。
報酬は前払いとする旨が当事者間の契約の内容となっていた場合であっても、システムが完成しなかったのであれば、既払金を返還しなければなりません。

ただし、その場合であっても、ベンダーの仕事の提供によってユーザーが利益を受ける場合、提供された仕事の限度で当該仕事は完成したとみなされるのが原則です(民法634条各号)。その場合、ベンダーは、ユーザーが受ける利益の割合を差し引いてユーザーに既払金を返還することとなります。ベンダーは、既払金のみでは当該仕事の割合に応じた報酬として不足する場合、ユーザーに対し、追加で不足分を請求することも可能です。
なお、ベンダーは、システム未完成の原因がユーザーにある場合、ユーザーに対し、報酬の全額を請求できます(民法536条2項)。

(請負)
民法632条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
 
(報酬の支払時期)
同法633条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。

(報酬の支払時期)
同法624条 労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
2 (略)

 
(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
同法634条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
 一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
 二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
 
(債務者の危険負担等)
同法536条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

また、旧法が適用される場合、すなわち、瑕疵担保責任に関する規定が依然適用される場合、システムが完成したことをもって、ユーザーはベンダーに対して(仕事の完成に関する)債務不履行責任を追及できず、瑕疵担保責任を追及できるにとどまります。
瑕疵担保責任しか追及できないとなると、契約を解除できる場合は、契約目的を達成できない程度の重大な瑕疵があった場合に限られます。

以上のとおり、システムの完成の有無は、新民法適用下においても報酬請求権の行使との関係で重要ですし、旧民法適用下においては瑕疵担保責任の適用場面か否かという問題との関係でも重要です。

システム開発における仕事の「完成」

ところで、システム開発契約は建築請負契約と類似していると考えられています。
もちろん、主たる成果物が有形物か無形物か、完成後の成果物のイメージが事前につきやすいかつきにくいかなど、システム開発契約と建築請負契約とでは大きく違う点が多数あることは事実です。しかし、抽象的に完成までの流れを見れば、やはりシステム開発契約は建築請負契約と類似していると言い得るでしょう。

なぜシステム開発契約は建築請負契約と類似しているという話を持ち出したかと言うと、システム開発契約におけるシステムの完成の有無は、裁判例上、建築請負契約における建築物の完成の有無と同様の判断基準が採用されていることによります。
具体的には、システムの完成の有無は、ベンダーの仕事が当初のシステム開発契約で予定された最終工程までを終えたか否かを基準に判断すべき、と考えられており、多くの裁判例がこの判断基準を採用しています。

検収」と「完成」の関係

多くのシステム開発契約では、ベンダーがシステムを引渡した後、ユーザーが検収をすることが契約内容になっているかと思います。
検収は、一般的には当初のシステム開発契約で予定された最終工程でしょう。ですから、検収が完了したのであれば、原則として、システムの完成が認められると考えられます。
また、ユーザーがシステムを稼働させている場合も、稼働段階まで至ったわけですから、同様にして、システムの完成が認められると考えられます。裁判例も、稼働したシステムにつき、当該システム稼働時には遅くとも当該システムは完成していた旨を認めています。
個々の事案によるところではありますが、検収や稼働の事実は、「ユーザーがシステムの完成を確認した」という意味を含んでいると通常は考えられています。

他方、検収や稼働の事実がなかった場合はどうでしょうか。
システムの完成の判断基準を振り返ってみると、それは「ベンダーの仕事が当初のシステム開発契約で予定された最終工程までを一応終えたか否か」です。
もちろん、検収や稼働の事実は、積極的に完成を肯定する要素と言い得ます。しかし、検収や稼働の事実がないからといって「最終工程まで終えていない」ことにはならないはずです。

システム開発は、ユーザーとベンダーがシステムの完成に向けて協同して行うものです。検収や稼働も、ベンダー単体でできるものではなく、ユーザーの協力が必要です。
ベンダーが単独で実施できる作業を終えず、またユーザーの作業へ協力する態度を示していないのであれば話は別です。
しかし、そうでないにもかかわらず、ユーザーが検収を行わなかったり、稼働に必要な作業を行わなかったりした場合にも完成を認めず、ベンダーがユーザーに対して報酬を請求できないのでは酷です。
このような価値判断に立つと、ベンダーが単独で実施できる作業を終え、ユーザーの作業に協力する態度を示したにもかかわらず、ユーザーが検収等ユーザー作業を完了させなかったような場合には、システムの完成を認めてもよいと考えられます。裁判例にも、そのような判断を行ったものが見受けられます。

ところで、以上を踏まえ、システムの完成に関し、システム開発契約でどのようなことを合意しておけばよいでしょうか?
契約書チェックや契約内容の検討では、すべての条項の検討にあてはまるわけではありませんが、紛争で問題となる点から逆算して考えるという方法が有用です。
この点についてはまた別途触れることとしますが、本エントリを読まれた方は、是非一度考えてみていただきたいと思います。

「バグ」と「完成」の関係

システム開発において、バグが生じることは不可避です。そこで、バグが生じた場合の法律関係は常に問題となります。
前述のとおり、「完成」は、旧民法適用下において瑕疵担保責任の適否を決する基準として機能していました。ですから、旧民法適用下では特に大きな問題となります。

さて、繰り返しになりますが、システムの完成の判断基準は「ベンダーの仕事が当初のシステム開発契約で予定された最終工程までを終えたか否か」にあります。
また、ユーザーは債務不履行責任による保護を受けることができ、バグがあった場合にシステムの完成を認めても、ユーザーに一方的に不利益が生じるわけではありません。例えば、システムの稼働に支障をきたす重大なバグがあった場合には、債務の不履行が軽微とは言いがたく(新民法)、又は契約目的が達成できないと言いやすい(旧民法)でしょうから、完成が認められたとしても、契約解除が認められる可能性は高いでしょう。

とすれば、バグが生じていた場合であっても、システムは完成したものと扱うべきと考えられます。

(催告による解除)
民法541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
 
(催告によらない解除)
同法542条 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
 一 債務の全部の履行が不能であるとき。
 二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
 三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
 四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
 五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
2 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。
 一 債務の一部の履行が不能であるとき。
 二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

バグが生じていた場合であってもシステムは完成するとなると、報酬請求権との関係が問題となりそうですが、それはまた次の機会(「バグ」と「契約不適合(瑕疵)」に関するエントリ)で触れようと思います。

利用規約の免責条項~DeNAモバゲー利用規約差止訴訟から~

はじめに

DeNAが運営する「モバゲー」の利用規約の免責条項につき、さいたま地判令和2・2・5は、その一部が消費者契約法に反しているとして、利用規約の当該部分の利用の差止めを認めていました。 そして、控訴審判決である東京高判令和2・11・5においても、第一審判決を維持し、利用規約の免責条項の一部につき、消費者契約法違反を理由とする利用の差止めを認めました。

本エントリでは、利用規約の免責条項と消費者契約法について、DeNAモバゲー利用規約差止訴訟を交えつつ、紹介したいと思います。
本エントリを一文でまとめるならば、「B2Cサービスにかかる利用規約は、明確かつ平易にするとともに、全部免責条項は削除すべきである。」ということになります。

利用規約消費者契約法に関するリスク

利用規約について、消費者契約法との関係で考えられるリスクは、大きく次の2点と言えます。

  • 利用規約の利用が差止められ、又は利用規約が無効となるリスク
  • レピュテーションリスク

B to Cのサービスにおける利用規約については、消費者契約法の適用があります。
そのため、一方的に消費者に不利益な条項は無効とされる可能性がありますし、責任免責条項もその一例となります。
免責条項に関していえば、消費者契約法は次のとおり定めています。

  • 全部免責条項無効(法8条1項1号、3号)
  • 事業者に故意重過失がある場合の一部免責条項無効(8条1項2号、4号)
  • 事業者に軽過失がある場合の一部免責条項有効

利用規約について、適格消費者団体からの何らかの申入れや訴訟提起がなされると、通常、すべてのやりとりが、訴訟係属前のものも含め、Web上に公開されることとなります。
また、消費者契約法に反する利用規約を定めているサービスないしこれを運営する企業は、「遵法意識を欠いている」という評価を受けることにもなりかねません。
現在、多くの人がSNSを利用していますが、その情報拡散力はすさまじく、ひとたびマイナス情報が拡散すれば、サービスや企業の評判が低下する可能性も非常に高いですから、レピュテーションリスク(評判リスク)にも配慮することが必要不可欠な時代となっています。

事案の概要

本件は、適格消費者団体である原告(X)が、DeNA(Y)に対し、Yが運営するポータルサイトSNSサービスである「モバゲー」内においてYから提供されるサービスを利用する際の利用規約の一部の条項につき、消費者契約法に反する条項を利用し、または利用するおそれがあることから、消費者契約法12条3項に基づき、当該利用規約のうち消費者契約法に反する部分の利用の差止めを求めた事案です。

原告が差止めを求めた対象となる条項(※訴訟提起時のもの)及びその理由は、それぞれ以下のとおりです。 (判決によると、DeNA側が一部規約文言の修正を行った結果、Xがこれにかかる訴えの一部を取り下げているため、当該部分は除外しています。)
なお、それぞれ引用元は次のとおりとなります。

第7条 モバゲー会員規約の違反等について
1 モバゲー会員が以下の各号に該当した場合、当社は、当社の定める期間、本サービスの利用を認めないこと、又は、モバゲー会員の会員資格を取り消すことができるものとします。ただし、この場合も当社が受領した料金を返還しません。
 a. 会員登録申込みの際の個人情報登録、及びモバゲー会員となった後の個人情報変更において、その内容に虚偽や不正があった場合、または重複した会員登録があった場合
 b. 本サービスを利用せずに1年以上が経過した場合
 c. 他のモバゲー会員に不当に迷惑をかけたと当社が判断した場合
 d. 本規約及び個別規約に違反した場合
 e. その他、モバゲー会員として不適切であると当社が判断した場合
2 当社が会員資格を取り消したモバゲー会員は再入会することはできません。
3 当社の措置によりモバゲー会員に損害が生じても、当社は一切損害を賠償しません。

(同条3項が差止めの対象となる理由について)当社の措置をとる事由として、同条1項に「c.他のモバゲー会員に不当に迷惑をかけたと当社が判断した場合」「e.その他、モバゲー会員として不適切であると当社が判断した場合」を含む5つの事由が列挙されていますが、「措置」をとるにあたって、その故意過失に基づき誤った判断をし、その結果、会員に損害を与える事態が生じた場合などを除外することなく、文言上、被告が一切損害を賠償しなくともよいという規定となっており、消費者契約法8条1項1号、3号に抵触する。

第12条 当社の責任
2 モバゲー会員は自らの責任に基づいて本サービスを利用するものとし、当社は本サービスにおけるモバゲー会員の一切の事項について何らの責任を負いません。
3 モバゲー会員は法律の範囲内で本サービスをご利用ください。本サービスの利用に関連してモバゲー会員が日本及び外国の法律に触れた場合でも、当社は一切責任を負いません。
4 本規約において当社の責任について規定していない場合で、当社の責めに帰すべき事由によりモバゲー会員に損害が生じた場合、当社は1万円を上限として賠償します。
5 当社は、当社の故意または重大な過失によりモバゲー会員に損害を与えた場合には、その損害を賠償します。

(同条4項が差止めの対象となる理由について)1万円の支払い対象として、「本規約において当社の責任について規定していない場合」との条件を付しており、そうすると、本件利用規約内で責任を規定している条項、すなわち「一切責任を負わない」と規定している上記条項(同4条3項、7条3項、10条1項)1万円の賠償対象とならないと解釈できる。したがって、同項はその前段部分「本規約において当社の責任について規定していない場合」について、消費者契約法8条1項1号、3号に抵触する。

なお、Yは、本件が訴訟係属する以前におけるXからの指摘に対し、次のように回答しており、訴訟でも同様の反論を行ったものと思われます。(DeNA「2016年12月21日付回答書」(PDF))

 「弊社の故意又は重大な過失による債務不履行及び不法行為については、損害賠償責任を負いますし、弊社の軽過失による債務不履行及び不法行為については、1万円を上限として損害賠償責任を負います。」

第一審裁判所(さいたま地方裁判所)の判断

まず、裁判所は、消費者契約法の趣旨及び目的と第3条について、次のように述べます。

 「法は、消費者と事業者との間に存する契約の締結、取引に関する情報の質及び量並びに交渉力の格差に鑑み、事業者の債務不履行等により生じた損害賠償の責任を免除する条項等の全部又は一部を無効とすることを定める(法1条参照)。そして、その趣旨、目的を徹底するため、事業者は、消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮する努力義務を定めている(法3条1項1号)。」

消費者契約法第3条 事業者は次に掲げる措置を講ずるよう努めなければならない。
① 消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮すること。

次に、契約条項の不明確性と差止請求の根拠である法12条3項との関係について、次のように述べます。

 「ところで、……差止請求は、その対象となる消費者契約の中に、法8条から10条までに規定する消費者契約の条項(以下「不当条項」という。)が含まれていることがその要件とされているところ、この不当条項該当性の有無を判断するに当たっては、その前提として、当該消費者契約の中の特定の条項の意味内容を定める必要が生じる。
 この点、……法は、消費者と事業者とでは情報の質及び量並びに交渉力に格差が存することに照らし、法3条1項において、事業者に対し、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なものであって、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮することを求めていることに照らせば、事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、当該条項につき、解釈を尽くしてもなお複数の解釈の可能性が残ることがないように努めなければならないというべきである。
 加えて、差止請求制度は、個別具体的な紛争の解決を目的とするものではなく、契約の履行などの場面における同種紛争の未然防止・拡大防止を目的として設けられたものであることをも勘案すると、差止請求の対象とされた条項の文言から読み取ることができる意味内容が、著しく明確性を欠き、契約の履行などの場面においては複数の解釈が認められる場合において、事業者が当該条項につき自己に有利な解釈に依拠して運用していることがうかがられるなど、当該条項が免責条項などの不当条項として機能することになると認められるときは、法12条3項の適用上、当該条項は不当条項に該当すると解することが相当である。」

利用規約第7条第3項について

実際の条項にかかる検討として、裁判所は、まず、利用規約7条1項c号及びe号について、次のように述べます。

 「Yは、上記各号の『判断』とは、『合理的な根拠に基づく合理的な判断』を意味し、そのように解釈することが一般的な契約実務である旨主張している。
 しかしながら、c号の『他のモバゲー会員に不当に迷惑をかけた』という要件は、その文言自体が、客観的な意味内容を抽出し難いものであり、その該当性を肯定する根拠となり得る事情や、それに当たるとされる例が本件規約中に置かれていないことと相俟って、それに続く『と当社が判断した場合』という要件の『判断』の意味内容は、著しく明確性を欠くと言わざるを得ない。すなわち、上記要件の文言からすると、Yは上記の『判断』を行うに当たって極めて広い裁量を有し、客観性を十分に伴う判断でなくても許されると解釈する余地があるのであって、上記の『判断』が『合理的な根拠に基づく合理的な判断』といった通常の裁量の範囲内で行われると一義的に解釈することは困難であると言わざるを得ない(なお、本件規約5条1項には、モバゲー会員がモバゲーサイト内に既述した全ての情報及びモバゲー会員間でメール等によりやりとりがされる情報について、真実でないもの、他人の名誉又は信用を傷つけるもの等の同条1項各号所定の事由に該当する情報の記述を禁止することなど、規約違反となる事象を定めているところ、同条1項各号に違反する事象は、本件規約7条1項d号の対象となるものであるから、本件規約5条1項各号をもって、本件規約7条1項c号の例示であると解することはできない。)。
 また、e号は、『その他、モバゲー会員として不適切であると当社が判断した場合』との要件であるが、同号の前に規定されているa、b及びd号はその内容が比較的明確であり、裁量判断を伴う条項ではないのに対し、e号については、『その他』との文言によりc号を含む各号と並列的な関係にある要件として規定されつつも、c号と同じ『判断した場合』との文言が用いられていることから、c号の解釈について認められる上記の不明確性を承継するものとなっている。」

Yは、利用規約7条の各号の定めは、ごく一般的なものであるとして他企業の各種サービスにかかる規約を提出する等していました。
しかし、裁判所は、それらの規約の中には、「合理的な理由に基づく判断」「合理的な判断」と明示されているものや、これらが明示されていなくとも例示事由が多数列挙されているものが見受けられ、他方でYの規約のような文言のみをもって解除事由と定めたものはないと認定し、Yの主張を否定しています。

 「この点に関連して、Yは、上記各号のように『当社が判断した場合』との文言の条項は、ごく一般的なものであるとして、他の企業における各種の会員サービスに係る規約を提出する……。
 しかし、それらの規約の条項の中には、利用資格失効等の措置をとる場合には『合理的な理由に基づく判断』又は『合理的な判断』を行う旨の文言を明示しているものがあり……、また、『合理的な理由に基づく判断』又は『合理的な判断』を行う旨の文言はないが、例示が多数挙げられているもの……も見受けられる。他方、本件契約のように、会員相互間の関係を生じるサービスに係る規約において『他の会員に不当な迷惑をかけた』といった文言のみをもって、例示を伴うことなく契約の解除事由等としているものは見当たらない。このように、Yが提出した規約の例をみても、上記各号のような定め方が一般的であるとまではいえない。」

Yは、本件規約7条3項は、同条1項c号又はe号が適用されることにより、Yに損害賠償責任が発生しないことを確認的に定めたもので、免責条項ではない旨の主張をしていました。
しかし、裁判所は、利用規約7条3項について、次のように述べ、Yが利用規約の文言の修正を行わないとの立場を明らかにしていることにも照らし、当該条項をYが自己に有利な解釈に依拠して運用している疑いを払拭できないとして、法8条1項1号及び3号各前段に該当し、よって差止事由が認められると判断しました。

 「……上記各号(註:本件規約7条1項c号及びe号)の文言から読み取ることができる意味内容は、著しく明確性を欠き、複数の解釈の可能性が認められ、被告は上記の『判断』を行うに当たって極めて広い裁量を有し、客観性を十分に伴う判断でなくても許されると解釈する余地があることは、上記……で判示したとおりである。
 そして、本件規約7条3項は、単に『当社の措置により』という文言を使用しており、それ以上の限定が付されていないことからすると、同条1項c号又はe号該当性につき、その『判断』が十分に客観性を伴っていないものでも許されるという上記の解釈を前提に、損害賠償責任の全部の免除を認めるものであると解釈する余地があるのであって、『合理的な根拠に基づく合理的な判断』を前提とするものと一義的に解釈することは困難である。
 そうすると、本件規約7条3項は、同条1項c号又はe号との関係において、その文言から読み取ることができる意味内容が、著しく明確性を欠き、契約の履行などの場面においては複数の解釈の可能性が認められると言わざるを得ない。
 他方、Yは、本件規約7条1項c号又はe号の『判断』とは『合理的な理由に基づく合理的な判断』を意味するとの主張をしながらも、そのように文言を修正することを拒絶しており……、また、本件規約7条3項につき、『当社の責めに帰するべき事由による場合を除き』といった文言……を付加するような修正はしないとの立場を明らかにしている……。
 そして、証拠……によれば、モバゲー会員からは、全国消費生活情報ネットワークシステムに対し、Yによりモバゲーサイト上のゲームの利用の一部を停止されたが、Yに問い合わせても理由の説明がされず、かつ、すでに支払った利用料金2万円の返金を拒まれているなどの相談が複数されていることが認められるところ、利用停止措置をとる場合のモバゲー会員に対するこのような対応ぶりに照らすと、Yは、上記のような文言の修正をせずにその不明確さを残しつつ、当該条項を自己に有利な解釈に依拠して運用しているとの疑いを払拭できないところである。
 以上で判示したところによれば、本件規約7条3項は、同条1項c号又はe号との関係において、その文言から読み取ることができる意味内容が、著しく明確性を欠き、契約の履行などの場面においては複数の解釈の可能性が認められるところ、Yは、当該条項につき自己に有利な解釈に依拠して運用していることがうかがわれ、それにより、同条3項が、免責条項として機能することになると認められる。」

利用規約第12条第4項について

裁判所は、利用規約12条4項は、責任全部免除規定でないことは明らかであって、そもそも法8条1項1号及び3項の各前段に該当しないとして、差止めを認めませんでした。

控訴審裁判所(東京高等裁判所)の判断

DeNA側は、第一審判決を受け、利用規約の一部を次のように改正(改正部分強調)していました。

第7条 モバゲー会員規約の違反等について
1 モバゲー会員が以下の各号に該当した場合、当社は、当社の定める期間、本サービスの利用を認めないこと、又は、モバゲー会員の会員資格を取り消すことができるものとします。ただし、この場合も当社が受領した料金を返還しません。
 a. (略)
 b. (略)
 c. 他のモバゲー会員に不当に迷惑をかけたと当社が合理的に判断した場合
 d. (略)
 e. その他、モバゲー会員として不適切であると当社が合理的に判断した場合
2-3 (略)

利用規約第7条第3項について~控訴審判決による第一審判決の改正の観点から~

東京高判令和2・11・5は、さいたま地判令和2・2・5が利用規約7条1項c号について述べていた点につき、次のように改めています。
これは控訴審段階において、Yが前述のとおり利用規約の改正を行ったことを考慮したものです。
もっとも、「当社が判断」が「当社が合理的に判断」に改正されたとしても、結論としては、その文言が不明確であることには何ら変わりがないとされています。

東京高判令和2・11・5
 「すなわち、Yは、上記の『合理的な判断』を行うに当たって極めて広い裁量を有し、客観性には合理性がなく会員に対する不法行為又は債務不履行を構成するような会員資格取消措置等を『合理的な判断』であるとして行う可能性が十分にあり得るが、会員である消費者において、訴訟等において事後的に客観的な判断がされた場合は格別、当該措置が『合理的な判断』に基づかないものであるか否かを明確に判断することは著しく困難である」

さいたま地判令和2・2・5
 「すなわち、上記要件の文言からすると、Yは上記の『判断』を行うに当たって極めて広い裁量を有し、客観性を十分に伴う判断でなくても許されると解釈する余地があるのであって、上記の『判断』が『合理的な根拠に基づく合理的な判断』といった通常の裁量の範囲内で行われると一義的に解釈することは困難であると言わざるを得ない」

また、Yは、前述のとおり、利用規約7条1項の各号の定めはごく一般的なものであるとして、他企業の各種サービスにかかる規約を提出する等していました。
これについて、第一審は、他企業の規約には「合理的な判断」等の文言が明示されているか、又は例示が多数挙げられているのに対し、本件の利用規約のような文言のみをもって、例示を伴うことなく契約解除事由等としているものはないという理由で、Yの主張を排斥していました。
他方、控訴審は、第一審が「合理的な判断」といった文言の有無や例示列挙の有無について着目していたのとは異なり、責任免除規定の有無、消費者が損害を被る蓋然性の高低、差止請求と消費者契約法違反の関係性の有無の観点から、次のとおり、Yの主張を否定しています。
他企業の規約が消費者契約法に違反していないとは必ずしも言えないので、他企業のサービスにかかる規約にもそのような文言があるとの事実は、利用規約の内容の明確性にかかる判断を何ら左右するものではない、ということかと思われます。

東京高判令和2・11・5 「この点に関し、Yは、他の企業の規約の中には『当社が判断した場合』などの文言を含む条項がある……旨主張するが、Yが指摘する規約の中には、上記条項に関する責任免除規定がないもの、上記条項によって消費者が損害を被る蓋然性が低いものがあるほか、現時点で差止請求がされていないことをもって法に違反していないとはいえないから、『当社が判断した場合』などの文言を含む他の企業の条項があるからといって、Yの本件規約7条1項c号及びe号の内容が著しく不明確であるとの上記判断を左右しない。」

さいたま地判令和2・2・5
 「この点に関連して、Yは、上記各号のように『当社が判断した場合』との文言の条項は、ごく一般的なものであるとして、他の企業における各種の会員サービスに係る規約を提出する……。
 しかし、それらの規約の条項の中には、利用資格失効等の措置をとる場合には『合理的な理由に基づく判断』又は『合理的な判断』を行う旨の文言を明示しているものがあり……、また、『合理的な理由に基づく判断』又は『合理的な判断』を行う旨の文言はないが、例示が多数挙げられているもの……も見受けられる。他方、本件契約のように、会員相互間の関係を生じるサービスに係る規約において『他の会員に不当な迷惑をかけた』といった文言のみをもって、例示を伴うことなく契約の解除事由等としているものは見当たらない。このように、Yが提出した規約の例をみても、上記各号のような定め方が一般的であるとまではいえない。」

また、控訴審は、Yの本件規約7条3項はYが損害賠償責任を負わない場合にこれを負わないことを確認的に規定したものであって免責条項ではない旨の主張に対し、次の理由から、そのような確認規定であると解釈することは困難としています。

  • 会員が本件規約7条1項c号及びe号該当性を明確に判断することは極めて困難であること
  • 同条3項は「一切損害を賠償しません」という文言であって例外を認めていないこと

東京高判令和2・11・5
 「……本件規約7条3項には、単に『当社の措置により』との文言が用いられ、それ以上の限定が付されていないところ、前記説示したとおり、会員において、同条1項c号及びe号該当性につき明確に判断することは、極めて困難である。さらに、同条3項が『一切損害を賠償しません。』と例外を認めていないことも併せ考慮すると、同項については、契約当事者(Y及び会員)の行為規範として、Yが不法行為等に基づく損害賠償責任を負わない場合について確認的に規定したものと解することは困難である。」

さいたま地判令和2・2・5
 「……上記各号(註:本件規約7条1項c号及びe号)の文言から読み取ることができる意味内容は、著しく明確性を欠き、複数の解釈の可能性が認められ、被告は上記の『判断』を行うに当たって極めて広い裁量を有し、客観性を十分に伴う判断でなくても許されると解釈する余地があることは、上記……で判示したとおりである。
 そして、本件規約7条3項は、単に『当社の措置により』という文言を使用しており、それ以上の限定が付されていないことからすると、同条1項c号又はe号該当性につき、その『判断』が十分に客観性を伴っていないものでも許されるという上記の解釈を前提に、損害賠償責任の全部の免除を認めるものであると解釈する余地があるのであって、『合理的な根拠に基づく合理的な判断』を前提とするものと一義的に解釈することは困難である。 」

控訴審におけるYの主張に対する判断

Yは、第一審と同様、Yの本件規約7条3項はYが損害賠償責任を負わない場合にこれを負わないことを確認的に規定したものであって免責条項ではない旨を、控訴審においても主張していました。
しかし、裁判所は、次の理由から、Yは本件規約7条3項によって損害賠償義務が免除されると主張し得ると述べています。

  • 本件規約の「合理的に判断した」の意味内容が極めて不明確であること
  • Yが「合理的な」判断をして会員資格取消措置等を行ったつもりでも、客観的には当該措置等がYの債務不履行又は不法行為を構成することが十分あり得ること

 「Yは、本件規約7条3項はYが損害賠償責任を負わない場合にこれを負わないことを確認的に規定したものであって、免責条項ではない旨主張する。
 しかし……本件規約7条1項c号及びe号にいう『合理的に判断した』の意味内容は極めて不明確であり、Yが『合理的な』判断をした結果会員資格取消措置等を行ったつもりでいても、客観的には当該措置等がYの債務不履行又は不法行為を構成することは十分にあり得るところであり、Yは、そのような場合であっても、本件規約7条3項により損害賠償義務が全部免除されると主張し得る。」

また、Yは、Yが客観的に損害賠償責任を負う場合、そもそも本件規約7条1項c号及びe号の適用がないから、同条3項による免責の余地はないと主張していました。
しかし、裁判所は、次の理由から、そのような主張は最終的に訴訟において争われる場面には妥当しても、消費者契約法の不当条項の解釈としては失当と述べ、当該主張を排斥しています。

  • 事業者と消費者との間には、情報量、交渉力等において格段の差があること
  • その中で、事業者の客観的には誤っている判断が、とりわけ契約の履行等の場面できちんと是正されるのが通常とは考えがたいこと

 「Yは、Yが客観的に損害賠償責任を負う場合は、そもそも本件規約7条1項c号又はe号の要件を満たさず、したがって、本件規約7条3項により免責されることもないと主張する。しかし、事業者と消費者との間に、その情報量、交渉力等において格段の差がある中、事業者がした客観的には誤っている判断が、とりわけ契約の履行等の場面においてきちんと是正されるのが通常であるとは考え難い。Yの主張は、最終的に訴訟において争われる場面には妥当するとしても、消費者契約法の不当条項の解釈としては失当である。

Yは、一般的に契約条項について合理的限定解釈が許されている等の主張もしていました。
しかし、とりわけこの点について、裁判所は、消費者契約法3条1項1号により、事業者は、消費者契約の内容につき、その解釈に疑義が生じない明確なもので、かつ、平易なものになるよう配慮すべき努力義務を負う、と述べました。
事業者にかかる義務があると言及した点は、本判決において注目されるべきと考えられます。

 「Yは、①一般に合理的限定解釈は許されること、②本件規約7条1項c号及びe号には多数の例示が示されていること、③他の企業においても「合理的な判断」との条項の意味内容につきトラブルが生じていないことからすると、本件規約7条1項c号及びe号の意味内容は明確である旨主張する。
 しかし、上記①については、事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮すべき努力義務を負っているのであって(法3条1項1号)、事業者を救済する(不当条項性を否定する)との方向で、消費者契約の条項に文言を補い限定解釈をするということは、同項の趣旨に照らし、極力控えるのが相当である。また、上記②については、控訴人が主張する例示……によっても、本件規約7条1項c号及びe号該当性が明確になるものとは解し難い。上記③についても、控訴人が主張するとおり、他の企業において、『判断』、『合理的な判断』といった条項の意味内容につきトラブルが生じていないとしても、そのことをもって、本件規約7条1項c号及びe号の『合理的な判断』の意味内容が明確であることを意味するものではない。」

おわりに

前記利用規約や前記回答書を見るに、Yも、消費者契約法におけるリスクは十分理解していたことが窺われます。
すなわち、Yに故意重過失があれば免責条項は適用されずに損害賠償を行い、また、軽過失であれば1万円の限度で損害賠償を行います、といういわば逃げ道も用意していたことになります。
また、控訴審の段階では、第一審判決を受け、「合理的に判断」という文言へと利用規約の改正まで行っていました。

今回の裁判例が出た結果、B2Cサービスを提供し、これに伴い当該サービスにかかる利用規約を設ける事業者につき、当該利用規約の文言が不明確にならないよう、また、消費者にとって平易な利用規約となるよう、注意を払う必要があります。
一度、利用規約の内容が明確であるかどうかをはじめとして、消費者契約法に抵触する部分がないかをチェックした上で、必要に応じてその修正をすべきでしょう。
特に、「一切責任を負わない」旨の全部免責条項については、これを削除することが検討されるべきです。

なお、差止めについては、無効となる条項を利用した契約を行うおそれがあれば足り、実際にそのような運用をしていること自体の立証まで求められているわけではないことにも注意が必要です。

システム開発・ソフトウェア開発契約における責任制限条項

損害賠償に関する民法上の原

民法の原則では、損害賠償責任の範囲は、民法416条に基づき、債務不履行と相当因果関係のある範囲(通常生ずる損害及び予見可能である特別な事情から生じた特別損害)とされています。
また、損害賠償額の限度額について、特段上限が設けられているものではありません。

システム開発・ソフトウェア開発契約における責任制限条項

他方、システム開発・ソフトウェア開発契約にかかる契約条項においては、損害賠償責任につき、損害の範囲に制限を設けたり、損害賠償の額の上限を定めたりといった、責任制限条項が置かれることが多くあります。
これは、システム開発・ソフトウェア開発の特殊性にかかる意見を汲んだ上、これを反映した条項が作成されているものと言えます。
ただし、その特殊性を反映する必要があるか否かについて、これを否定する意見も実務家の中にあることを付言しておきます。

IPA「情報システム・モデル取引・契約書」第53条

例えば、IPA「情報システム・モデル取引・契約書」の第53条では、次のようなモデル条項が示されています。

(損害賠償)
第53条 甲及び乙は、本契約及び個別契約の履行に関し、相手方の責めに帰すべき事由により損害を被った場合、相手方に対して、(○○○の損害に限り)損害賠償を請求することができる。但し、この請求は、当該損害賠償の請求原因となる当該個別契約に定める納品物の検収完了日又は業務の終了確認日から○ヶ月間が経過した後は行うことができない。
2 本契約及び個別契約の履行に関する損害賠償の累計総額は、債務不履行(契約不適合責任を含む、)不当利得、不法行為その他請求原因の如何にかかわらず、帰責事由の原因となった個別契約に定める○○○の金額を限度とする。
3 前項は、損害賠償義務者の故意又は重大な過失に基づく場合には適用しないものとする。

このモデル契約書は、次の3つの責任制限条項から構成されています。

  • 具体的な損害賠償の上限額
  • 損害の範囲の制限
  • 請求期間の制限

以下では、モデル契約書を参考に、これらについて見て行くこととします。

第1項本文

第1項本文は、「(○○○の損害に限り)」という部分を除けば、債務不履行責任や不法行為責任等にかかる損害賠償責任につき、相手方の帰責事由によって損害が生じた場合に限定するものであり、民法の原則と変わりのないものです。
したがって、第1項本文で重要なのは「(○○○の損害に限り)」という部分であり、この部分が損害の範囲を限定する規定ということになります。

「(○○○の損害に限り)」という部分には、「直接かつ現実に生じた通常の損害に限り」 といったような文言が入る場合が多い印象です。
実際、IPAモデル契約書の解説においても、「直接の結果として現実に被った通常の損害に限定して損害賠償を負う旨規定することが考えられる。」との記載があります。

 「第1項では、損害賠償責任の成立を、帰責事由のある場合に限定している。なお、損害の範囲について制限を設ける場合には、通常損害のみについて責任を負い、特別事情による損害、逸失利益についての損害や間接損害を負わないとする趣旨から、直接の結果として現実に被った通常の損害に限定して損害賠償を負う旨規定することが考えられる。」

また、弁護士費用は損害として認められにくい傾向があることから、弁護士費用を損害に含む旨を追記する場合もしばしば見受けられるところです。

第1項ただし書

第1項ただし書は、請求期間の制限を設ける規定です。
これは、損害賠償請求を行う場合一般について、請求期間を制限する規定であり、時効でもなければ契約不適合責任にかかる期間制限とも異なります。
このような規定は、他の契約類型ではあまり見られないような規定かもしれません。

IPAモデル契約書の解説部分には特に記載はありませんが、この規定は、システムが稼働した直後から、ユーザー側の要請により、成果物たるシステムに様々な機能の追加や改定がなされることが少なくなく、そのような変化に対応しなければならないという、システム開発の成果物の特性を踏まえた取引慣行に合わせたものと言われています。
また、システム開発・ソフトウェア開発分野では、他の分野以上に、時間が経過するにつれて損害発生の原因の特定がより困難となることが想定されるため、当事者間の関係を早期に安定させる必要があり、この点に請求期間制限の大きな意味があるとも言い得るでしょう。

第2項

第2項は、損害賠償額の限度額を設ける規定です。
その性質は、民法の条文で言えば、民法420条1項における損害賠償額の予定ということになるかと思われます(後掲東京地判平成31・3・20参照)。
「個別契約に定める○○○の金額」の部分には、「個別契約に定める報酬の金額」 といった文言が入る場合が多い印象です。
この点は、特にユーザーからの反発が大きいところでもあります。
では、IPAモデル契約にすらこの規定が盛り込まれている理由はどこにあるのでしょうか?

損害賠償額が高額になる場合も多いこと

まず、システム開発・ソフトウェア開発契約にかかる損害賠償の額は、極めて高額となる場合も少なくなく、これをベンダーのみで負担しなければならないとなると、ベンダーの負担は著しく重いものとなってしまいます。
とすれば、ベンダーにとってはハイリスクですから、契約条件をそれに応じたものとするか(契約金額をリスクを反映して高くした上で、納期をかなり後ろに持ってくる等)、そもそもシステム開発を行わないか、このいずれかになってしまうのではないでしょうか。
もっとも、前者を選択できるユーザーはほとんどいないでしょう。

ベンダーのコントロール可能な範囲が限定されること

また、様々な製品を組み込んで開発するのが一般的となっていることからすると、システムを構築・運用する上で、整合性等を完全に検証する手段がなく、ベンダー側としての予防手段は限られています。
海外製品を組み込んで開発する場合、当該海外製品の不具合による損害リスクも、通常はベンダーが負わなければなりません。
そして、ハードウェア、ソフトウェア等を問わず、様々な要因がシステムに影響を及ぼすのであり、ベンダーがコントロールできる要素が他の契約類型と比べて非常に限定的です。 にもかかわらず、これらによるリスクをベンダーがすべて負担しなければならないとなると、ベンダーはかなり重いリスクを負うこととなってしまいます。

システム開発・ソフトウェア開発契約の契約金額が実際に負担する経費でほとんどすべて構成されること

さらに、システム開発・ソフトウェア開発契約の契約金額は、人件費、外注先に支払う委託費、開発環境維持費等、ベンダーが実際に負担する経費でほとんどすべてが構成されています。
契約金額で投入される労働力が決定されるわけですから、成果物の信頼性等も、契約金額と正の相関関係があると言い得ます。
とすると、ベンダーとして負う注意義務の程度は、ユーザーが支払うこととなっている報酬の額に釣り合うものとすべきとも考えられます。

システム開発・ソフトウェア開発はベンダーとユーザーとが協働して行うものであること

加えて、システム開発・ソフトウェア開発は、ベンダーとユーザーとが協働して行うものであり、システムによる損害がユーザーに生じたとしても、その原因がユーザーにもあることがほとんどです。
これは裁判例を見ても同様であり、裁判所がベンダーの債務不履行等を認め、すなわち損害賠償責任を認めた場合であっても、ユーザーにも過失があったとして、過失相殺を行っている事案がほとんどです。
ですから、契約金額を超過した損害は、ユーザーが負担すべき割合に相当する部分であると考えることにも合理性はあると言い得ます。

慣習

そして、賠償限度額を契約金額とすることは、それ自体が国内外で共通の考え方として長年受け入れられており、国内での訴訟においても受け入れられています。

まとめ

以上の理由からすれば、システム開発・ソフトウェア開発契約において、損害賠償額の限度額を設けることには十分な合理性があると言い得るでしょう。
もちろん、あらゆる場面で設けるべきだとも思いませんから、事案に応じて、適切に判断することが必要です。

なお、IPAモデル契約書の解説には、契約不適合責任に基づく報酬減額請求権が行使された場合には、当該減額後の金額が上限となると解されるとの記載があります。
減額された報酬は、契約不適合部分に応じた損害賠償額と同一のものと言い得ますから、当該解釈は妥当だと思われます。

第3項

第3項は、第2項の免責や責任限定が、損害賠償義務者に故意重過失が認められる場合には適用されないとする規定です。
一般的に、損害発生の原因が故意重過失による場合、免責規定や責任制限規定は信義則に反して無効と考えられていますから、これを反映した規定ということになります。

一般的に「重過失」とは平たく言えば「故意と同視し得る程度の不注意」とされています。 なお、システム開発・ソフトウェア開発紛争においては、重過失の認定が他の事案類型と比べて緩やかとの指摘がなされています

若干の補足

なお、IPAモデル契約書解説において、次の2点が指摘されていることには留意すべきと考えられます。

  • 損害賠償責任については、契約書締結前のプロポーザル・見積段階において、事前に提案・見積条件として説明すること
  • 具体的な損害賠償の上限額、契約不適合責任の存続期間、債務不履行責任による損害賠償請求の期間については、個々の情報システムの特性等に応じて定められるものであること

野村vsIBM事件第一審判決(東京地判平成31・3・20)

責任制限条項については、野村HD・野村證券vsIBM事件の第一審が参考になるかと思うので、ここで紹介したいと思います。

事案の概要

原告である野村HDは、被告である日本IBMに対し、原告である野村證券の業務に供するシステム開発業務を委託し、日本IBMはこれを受託しました。
しかし、予定された稼働時期に完成しないことが明らかとなりました。
そこで、野村證券は、日本IBMに対し、前記開発業務の中止を通告し、また、野村HDを代理して、前記開発業務の履行不能を理由に、前記業務委託にかかる各個別契約(念のため付言すると、多段階契約モデルが採用されていました。)を解除するとの意思表示をしました。そして、東京地方裁判所に、履行不能によって野村HDが被った損害等について、債務不履行責任に基づく損害賠償請求等の訴えを提起するに至りました(なお、請求額は約36億円でした。)。
これに対し、日本IBMは反訴を提起し、前記開発業務が頓挫した原因は野村HD及び野村証券にある等の理由により、民法536条2項に基づく報酬請求や債務不履行に基づく損害賠償請求等を行うに至りました。

東京地方裁判所は、野村HD及び野村證券日本IBMが締結した17件という多段階契約のうち、3件の個別契約に限り、日本IBM債務不履行を認定し、日本IBMに約16億円の賠償を命じ、その余の請求はすべて棄却する判決を言い渡しました。

ところで、同判決によれば、日本IBM債務不履行により野村HDが被った損害の額は、19億1373万円でした。
しかし、実際に日本IBMが賠償すべきとされた損害の額は、16億2078万円でした。 この約3億円の差は、まさに責任制限条項によってもたらされたものということになります。

なお、この事案での責任制限条項は、次のようなものであったと認定されています。

 「本件各個別契約のうち履行不能となった契約は、本件個別契約13~15のみである……。そして、本件個別契約13及び15にはIBMの損害賠償責任は(中略)損害発生の直接原因となった当該別紙所定の作業に対する受領済みの代金相当額を限度額とする。』との責任制限条項が、本件個別契約14には『お客様がIBMの責に帰すべき事由に基づいて救済を求めるすべての場合において、IBMの損害賠償責任は(中略)損害発生の直接原因となった当該『サービス』の料金相当額(中略)を限度とする。』との責任制限条項が、それぞれ設けられている(……。以下、契約の略称に合わせて『本件責任制限条項13』のように略称する。)。」

責任制限条項の趣旨及び性質

まず、裁判所は、責任制限条項の趣旨及び性質について、次の2点を指摘します。

  • 責任制限条項の趣旨は、損害額が多額になるおそれからこれを限定するものであり、多段階契約においては損害賠償の観点からも契約の個別化を図る点にある
  • 責任制限条項の性質は、賠償額の上限を定めた損害賠償の予定である

 「本件各責任制限条項は、経済産業省が提唱するモデル契約においても類似の規定が設けられているものであり……、その趣旨は、コンピュータ・システム開発に関連して生じる損害額が多額に上るおそれがあることに鑑み、段階的に締結された契約のいずれかが原因となってユーザに損害が生じた場合、ベンダが賠償すべき損害を当該損害発生の直接の原因となった個別契約の対価を基準として合意により限定し、損害賠償という観点からも契約の個別化を図るものと解される。また、その性質は、賠償上限額についての損害賠償の予定と解される。」

その上で、日本IBMが賠償すべき損害について、次のとおり述べました。

 「そうすると、本件個別契約13~15の下で被告が賠償すべき損害は、本件責任制限条項13~15により、本件個別契約13及び15の支払済みの代金額に、本件個別契約14の代金相当額を加算した合計16億2078万円に限られるというべきである。そして、前記……認定の損害は、合計19億1373万円であり、既に上記損害賠償予定限度額を上回るから、本訴債務不履行請求のうち、同金額を超える損害について賠償を求める部分は、その余について判断するまでもなく理由がない……。」

信義則違反による責任制限条項の無効可能性

野村側は、責任制限条項は一方的に野村側に不利な内容であるにもかかわらず何らの交渉も行われず、また交渉を行うこともできないまま定められたため、信義則に反し無効であると主張していました。
もっとも、裁判所は、次の各点を指摘した上、本件における責任制限条項は対等な当事者が自由な意思で合意したものと認定しています。

  • 経産省のモデル契約における責任制限条項は、ユーザ・ベンダ双方のリスクを考慮したものである
  • 契約当事者の一方について、一方的に不利益な契約条項を是正する交渉力が劣後していたわけではない
  • すべての個別契約に同様の条項があり、一方当事者が内容を確認せずに調印したという事実はない
  • 調印にあたって責任制限条項の交渉を求めた事実が見当たらない

 「原告野村HDは、信義則違反の理由として、本件各責任制限条項が一方的に同原告に不利な内容であるのに、何らの交渉も行われず、交渉を行うこともできないまま定められたと主張する。
 しかし、まず、本件各責任制限条項と類似の規定を含む経済産業省のモデル契約は、ユーザ・ベンダ双方のリスクを考慮したものとされている……。また、本件各個別契約は、消費者契約ではなく、それぞれの業界において我が国を代表するともいえるような大企業の間で締結されたものであり、原告野村HDについて、一方的に不利益な契約条項を是正する交渉力が被告に劣後していたと認めるに足りる証拠はない。
 しかも、本件各責任制限条項は、本件個別契約13~15に係る契約書のみならず、同様に被告の役務提供を内容とする本件個別契約1~5、8、9及び17に係る各契約書……にも明記され、これらの契約書はいずれも被告の調印から数日を経て原告野村HDの調印がされているから、原告野村HDは、本件各個別契約の内容を確認の上、調印に応じたものと認められるところ、その調印に当たり、原告野村HDが本件各責任制限条項について被告に交渉を求めたような気配は、本件全証拠によっても見当たらない。
 以上の事情の下では、原告野村HDが、契約書上明記された本件責任制限条項13~15が本件に適用されないと信頼して調印したとは認められない。かえって、以上の事情を総合すれば、本件各責任制限条項を含む本件個別契約13~15は、対等な当事者が自由な意思で合意したものというべきであり、信義則違反により無効であるとの原告野村HDの主張は採用できない。」

重過失による責任制限条項の適用除外可能性

野村側は、本件における債務不履行は重過失によるものであったとして、責任制限条項の適用を除外すべきである旨も主張していました。
これに対し、裁判所は、責任制限条項の趣旨から、一方当事者に重過失がある場合における責任制限条項の適用除外の余地を残しつつ、本件では日本IBMに重過失がなかったとして、結論としては適用除外を否定しています。

この裁判例で注目すべき点の一つは、ベンダーの重過失が認められるとされる例を示した点にあります。
(もちろん、重過失の場合に責任制限条項の適用除外の余地があると示したことも重要です。)
すなわち、裁判所は、次のような場合には、ベンダーに重過失が認められると述べています。

  • 通常のベンダとしての裁量を逸脱して社会通念上明らかに講じてはならないような不合理な対応策を取った場合
  • ベンダとして社会通念上明らかに講じなければならない対応策を怠った場合

 「ベンダに重過失がある場合に責任制限条項を適用しない旨の規定は、経済産業省のモデル契約には設けられているものの……、本件個別契約13~15に係る各契約書……には、その旨の明文規定はない。
 もっとも、前記……で説示した本件各責任限定条項の趣旨に鑑みれば、被告に重過失があるときは、信義則に照らして本件各責任制限条項の適用が制限されると解する余地がないではない。」
 「本件全証拠によっても、被告が、通常のベンダとしての裁量を逸脱して社会通念上明らかに講じてはならないような不合理な対応策を取ったとか、ベンダとして社会通念上明らかに講じなければならない対応策を怠ったと認めることは困難である。そして、そのほか被告の重過失を認めるに足りる証拠はない。
 したがって、被告の重過失を理由として、本件各責任制限条項の適用を争う原告野村HDの主張は採用できない。」

ご挨拶と自己紹介

ご挨拶

はじめまして。弁護士の野溝と申します。
港区西新橋のロイヤルナイト法律事務所で弁護士をしています。

出身

出身は東京都清瀬市です。
最近はコロナの影響もあって中々帰ることができずにいますが、東京とはいってものんびりしたところなので、たまに清瀬に帰ってのんびり過ごしています。
来年から少しずつキャンプにはまる予定なのですが(?)、清瀬市所沢市の間を流れる柳瀬川でキャンプができるので、帰る頻度も上がりそうな気がしています。

趣味

趣味は、プログラミング(Ruby)とお酒を飲むことです。

あまりできていないプログラミングですが、最近はTwitterクライアントを作って改善したりしています。昔TwitterIRCGatawayというTwitterクライアントがあったかと思いますが、IRCではなくSlackを利用した、TwitterSlackGateway的なものを作っています。

お酒は基本的に何でも飲みます。バーに通ったり、ワイン屋さんに通ったりしています。
ちょうど今年の9月から酒小町(https://sakekomachi.jp/)という日本酒コミュニティに参加しまして、コロナが落ち着いたらオフラインイベントに参加することも楽しみにしています。

仕事

仕事は、主にIT関係の法律実務を取り扱っています。
ITに関わる法律問題を広く扱っていますが、次のような案件の取扱いが多いです。

  • システム開発・ソフトウェア開発・Web制作の契約書の作成・チェック
  • 利用規約の作成・チェック
  • 新規サービス等の適法性チェック
  • システム開発・ソフトウェア開発・Web制作に関するトラブル対応
    • 納期遅延
    • バグ等の契約不適合(瑕疵)に関するトラブル
    • 代金未払
    • 著作権関係のトラブル
    • などなど……
  • 個人情報の取扱いに関するリーガルチェック
    • プライバシーポリシーの作成・チェック
    • ビジネスの適法性チェック
    • などなど……

このブログでは、備忘録や情報整理も兼ねつつ、ITに関わるみなさんに向けて、ITに関する法律実務について、ご紹介していけたらと考えています。

ご依頼・ご相談について

私が運営しているIT法律相談サイトにて、個別の法律相談や、顧問契約の申込みを受け付けています。
また、弁護士があなたの会社に出社もして法務部員として稼働するという、顧問弁護士とインハウス弁護士のちょうど中間的な立ち位置のサービスも提供しています。
詳しくは、次のサイトをご参照ください。

IT法務・システム開発紛争は、IT関係の法律実務を中心に扱う弁護士に。